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新潟県糸魚川市能生の奥深い所に、仙納地区があります。古くより、この辺りではイ草の生産が盛ん(昭和30年代)で、中でも全国的に珍しい独特の風合いのある「ちんばり表」があります。そもそもこのちんばり表はイ草ではなく「ちばり」という萱(かや)の芯を細くしたものを畳表と同じように織り上げる物です。能生から離れると、「ちばり表」と言う人もいます。
質感は琉球表に似ていますが、さらに硬く丈夫な為、ストッキング等で座ると、すぐに伝線してしまうくらいです。琉球表と同じく、へり無しで使う事が多いです。
ちんばり表である一番の特長を生かして、真夏の土曜日になると家族で畳を外に出し、タワシで水洗いをします。これが年に一度の畳行事でした。強い表だからこそ可能な作業です。天日で充分に乾燥させた畳は、フカフカになるといいます。しかし今現在は生産者が誰もいなくなり、その技術も後継されていません。現存しているちんばり表は、能生周辺に極々少量あるだけで、大変に希少価値があります。
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